重要文化財

香取神宮

かとりじんぐう

所在地:千葉県香取市香取1697

工事名称:令和6・7年度国登録文化財香取神宮拝殿塗直し工事
工事名称:令和5・6年度重要文化財 香取神宮楼門塗直し工事
工事名称:香取神宮手水舎保存修理工事
工事名称:香取神宮鳥居金具新規製作および取付

工期:2025年2月~2025年12月(拝殿)
工期:2024年2月~2024年12月(楼門)
工期:2025年6月~2025年12月(手水舎)
工期:2025年7月~2025年10月(鳥居)

漆塗 彩色 単色塗 錺金具

香取神宮は千葉県香取市に所在し、出雲の国譲りの神話に登場する『経津主大神(ふつぬしのおおかみ)』をお祀りしています。本殿は、平安時代には伊勢神宮と同様に20年ごとのお建替を行っておりましたが、戦国時代にその制度が衰退しました。現在の本殿は、元禄13(1700)年に徳川幕府の手によって、桃山様式を取り入れ造営されたものです。本殿は正面柱間三間の流造に後庇を加えた両流造で、当初屋根は杮葺でしたが現在は桧皮葺です。
楼門は本殿と同時期に幕府が造営しました。三間一戸、純和様で構築され単色塗(丹塗)です。

今回の保存修理工事では重要文化財の楼門から着手し、県指定登録文化財の拝殿、そして手水舎に加え建替えの行われた鳥居を彩る錺金具新調を担当いたしました。楼門の塗替え工事では、鉛丹を主材料とした丹塗をいかに美しく仕上げることが出来るかに注力しました。楼門の下から目を凝らしても見えないような高所の細部までも、丁寧に塗り込んでいます。

拝殿の漆塗では、正面が対象になりました。漆という材料は紫外線に非常に脆弱で、特に日当たりの良い場所では歳月とともに艶が失われます。繊細な性質を持つ漆は、刷毛遣いなどの経験値や技術と徹底した湿度管理が重要です。近代塗料と異なり、漆が乾く(硬化する)ためには一定の湿度が必要であるため、「湿度管理を適切に行うこと」が職人技術の見せ所のひとつです。

手水舎は、全ての塗装を掻き落として柱と頭貫は弁柄漆塗、軒廻りは弁柄単色塗、そして蟇股などは極彩色の塗直しを行いました。手の込んだ彩色が施されている珍しい手水舎です。

建て替えを行った鳥居には、錺金具を新規製作いたしました。修復事業が大半を占める弊社の工事の中では、手掛ける機会が少ない大きなサイズの錺金具新調となりました。宮司様より「御本殿の破風板金具の文様をモチーフに」というご依頼を受け、弊社社長をはじめ製作担当者たちと図面を囲みゼロから作り上げました。文化財継承の仕事と新たな歴史を刻む新規創造の仕事。関係各所、皆様の深いご理解とご協力により、この両輪の完遂が叶いました。

詳細は【小西美術工藝社通信Vol.28】にも掲載しております。

このページを共有する