国宝

霧島神宮

きりしまじんぐう

所在地:鹿児島県霧島市霧島田口2608-5

工事名称:霧島神宮 本殿・幣殿(へいでん)ほか3棟 保存修理工事

工期:2009年1月~2013年3月

漆塗 丹塗 彩色 錺金具

「霧島神宮」は、鹿児島県の中央部に位置する霧島市に、高千穂連峰をいただき鎮座しています。

本殿は桁行(けたゆき)五間、梁間四間、縁先に軒支柱を立てた縁を廻しているため、実際は縁の分がひと廻り大きくなります。全国の重要文化財に指定されている神社本殿の中でも、規模の大きな入母屋造の本殿は、拝殿、幣殿を伴った複合社殿であり、漆塗や彫刻に施された彩色の装飾性とともに、全国でも稀有な社殿のひとつとされています。

今回の工事は、本殿、幣殿、拝殿、登廊下、勅使殿(ちょくしでん)、附神饌(ふしんせん)所・渡廊下が対象で、塗装修理と木部等の部分修理があり、塗装の修理は漆塗、丹塗、胡粉(ごふん)塗、黄土塗、墨塗、黒塗、平彩色、彩色剥落止め、彩色補筆を施工しました。

また、霧島神宮、(公財)文化財建造物保存技術協会により、小屋組から縁下廻りまで、旧塗装の掻き落とし作業と並行して調査が行われ、木地の補修、拝殿の蔀戸(しとみど)框(かまち)の錺金具の補修など、新たな補修箇所が確認されました。社殿内部の彩色部分の剥落止めについても同様に保存修理が必要との判断で、東京文化財研究所、国宝修理装こう師連盟が修理を担当することになりました。弊社でも、次回の修理のための記録と板壁絵、頭貫(かしらぬき)、蟇股(かえるまた)、金欄巻(きんらんまき)等の彩色現状見取図、白描図(はくびょうず)、彩色見取図を作製しました。

なお、今回の工事では弊社の職方が漆工、彩色工、金工それぞれの分野で修理に従事したことで、熟練から中堅へ、中堅から若手へと技術を伝える機会になりました。

詳細は【小西美術工藝社通信Vol.03】にも掲載しております

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