市指定文化財

成田山新勝寺

なりたさんしんしょうじ

所在地:千葉県成田市上町496-1

工事名称:成田山新勝寺 薬師堂 保存修理第二期工事

工期:2011年3月~2013年6月

漆塗 彩色

初代市川團十郎が子授けを祈願し成就させたという、歌舞伎の大名跡「成田屋」との御縁が大変深い、「成田山新勝寺」。真言宗智山派の大本山であり、境内にある仁王門・三重塔・釈迦堂・額堂・光明堂(こうみょうどう)は国の重要文化財、薬師堂は成田市指定有形文化財に指定されております。薬師堂は、江戸時代初期の1655年(明暦元年)年に建立された成田山現存最古のお堂で、前回修復から59年の歳月を経て、今回の工事が行われました。

修復内容は、御堂内陣にあります須弥壇(しゅみだん)漆塗および彫刻彩色修復、梵字天井板の再現、内部構造材の柿渋塗布です。

須弥壇は弁柄漆・黒漆にて修復しました。彫刻彩色は旧塗膜調査を行い、その痕跡をもとに極彩色を再現。劣化や損傷もありましたが、塗り重ねるごとに彩りを纏い、深みのある須弥壇と一体となることで、再び艶やかな姿に蘇りました。

梵字天井板は、弊社が東京国立博物館内に構える美術工芸品部(「修理室」)が担当しました。円形の天井板に描かれた梵字は漆塗膜で形成し、金箔貼りされ配列よく並んでおりましたが、一部剥落していた為、当時の手法と同様に新しく再現しました。

内部構造材への柿渋塗布は、最初に構造材を清掃し、古色塗も兼ねて塗布しました。柿渋は防腐防虫効果がありますが、艶出し効果もあるようで、摺漆(すりうるし)のような仕上がりとなりました。

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