重要文化財

旧江戸城外桜田門【国(環境省)所有】

きゅうえどじょうがいさくらだもん

所在地:東京都千代田区皇居外苑

工事名称:旧江戸城外桜田門 保存修理工事

工期:2012年9月7日~2013年6月30日

錺金具

「桜田門」は、警視庁側の高麗門(こうらいもん)、高麗門を潜って右手にある渡櫓門(わたりやぐらもん)の2つで桜田門となります。

江戸時代の寛永年間(1624年~1644年)に創建されたと推定されており、その後1772年(明和9年)の〈明和の大火〉により焼失しましたが、1774年(安永3年)までに再建されたとされています。関東大震災で被災し1926年(大正15年)に解体修理されました。

今回の工事では、高麗門・渡櫓門に取り付けられている、鉄金具の錆・旧塗膜落としと塗装、腐食・欠失部分の補修および新規製作を行いました。

前回塗装修理から40年以上経過しているということで、金具全体が錆びついており、手で触るとパラパラと旧塗膜と錆が落ちてくるほどでした。 錆落としはブラスト処理(アルミ製の細かい粒子を鉄金具に噴射し、同時に錆とアルミ粒子を回収)しました。吹き付けている時間が短いので金具に損傷が非常に少なく、錆・旧塗膜はきれいに除去されて、錆止め塗料、樹脂塗料と塗り進めました。 鉄金具を固定している鋲(びょう)は、古いものは脚の部分が痩せ、鋲頭が欠失し、鋲の形状も年代によりいろいろな形がありましたが、統一して新規鋲を作成・取り付けを行いました。

幾度も災害を乗り越えてきた桜田門は歴史上でも有名な場所ですが、今ではランナーや観光客の憩いの場となっています。

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