国宝

春日大社

かすがたいしゃ

所在地:奈良県奈良市春日野町160番地

工事名称:春日大社 本殿 屋根等修理工事、塗装工事

工期:2015年9月25日~2016年3月18日

漆塗 彩色

春日野の豊かな山並みに連なる「春日大社」。鮮やかな本朱色の御本殿は、軒を4棟連ね、向かって右側(東側)より第一殿・第二殿…と続きます。

春日大社御本殿は、「春日造」という建築様式の代表例とされています。大社造と同様に切妻・妻入ですが、正面に片流れの庇(向拝)を付属し、屋根は檜皮葺(ひわだぶき)で優美な曲線を描きます。 また、軒内土間や礎石には漆喰塗が施されています。一般的に、木部は朱に丹等を混ぜて塗ることが多いですが、春日大社御本殿は本朱(朱のみ)で仕上げられ、これは日本で唯一、春日大社御本殿のみといわれています。

今回の工事では、透塀欄間枠(すきべいらんまわく)の黒漆塗り替えと欄間の彩色復元、透塀軸部丹朱(すきべいじくぶたんしゅ)および格子緑青塗り替えを行いました。透塀は丹朱塗(朱に丹を混ぜたもの)と、本殿と比べると安価な材料にはなりますが、格子に緑青が使われることにより、本殿を守り引き立てています。

写真:春日大社提供(撮影 桑原英文)

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